加熱式タバコ情報などの発信や、ユニークな喫煙グッズなどの販売を行うWebメディア「RELAZO(リラゾ)」では、全国20~69歳以下の男女喫煙者11,405名を対象に、インターネットリサーチによる加熱式タバコのシェア率調査を行いました。
その結果、喫煙者全体のおよそ39%の方が加熱式タバコを使用しており、昨年より約3%近く利用者が増加する結果となりました。
また、ブランド別では、アイコス(IQOS)が昨年から引き続き50%以上のシェアを獲得しており、さらにプルームXのシェアも増加している一方、グローハイパーはわずかにシェア率が下がる結果となりました。
調査背景
年々喫煙率が低下していくなかで、紙巻きタバコから、匂いが少ない加熱式タバコへの乗り換えをすすめる喫煙者が増えています。
2023年8月の日本経済新聞社の記事によると(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC312KC0R30C23A8000000/)、たばこの国内販売に占める加熱式タバコの出荷額は37%となり、市場シェアを1年間で4ポイント伸ばしている結果となっています。
また、加熱式タバコ市場では、日本で最初に加熱式タバコを発売した「アイコス」が圧倒的なシェアを確立していると言われていますが、後発ブランドである「グロー」や「プルームX」が、低価格の新型デバイスの発売や、販売促進策を積極的に行っています。
リラゾでは2023年から引き続き、喫煙者の中で加熱式タバコを使っている方がどのくらいいるのか調査するとともに、加熱式タバコを使っているユーザーに対して、どのブランドを使っているか回答いただき、それぞれのシェア率を調査してみました。
【調査結果】全喫煙者の中の加熱式タバコシェア率は約39%
現在タバコを吸っていると回答した11,405人に対して、現在どんなタバコを最も良く吸っているか選んでもらい、喫煙者の中での加熱式タバコ利用シェア率調査を行いました。
結果、喫煙者の中での加熱式タバコ利用シェア率は39.29%となり、2024年度から約3%増加し、ほぼ4割近くに達する結果となりました。
2023年 | 2024年 | 2025年 | 増減比 | |
加熱式タバコシェア率 | 37.23% | 36.37% | 39.29% | +2.92% |
- 紙巻きタバコ:58.39%(6,659人)
- 加熱式タバコ:39.29%(4,481人)
- VAPE:1.02%(116人)
- 葉巻:0.28%(32人)
- 嗅ぎたばこ:0.16%(18人)
- 噛みたばこ:0.16%(18人)
- その他:0.71%(81人)
加熱式タバコを利用している年代や性別の特徴
最も加熱式タバコの利用が多かった年代は20代で、利用率は57.19%と半数を超え、中でも20代女性は60%を超えています。
続く30代でも、約51.13%と半数以上の方が加熱式タバコを利用しており、匂いの少なさや、火を使わず灰が出ない、周囲へ迷惑をかけにくいといった加熱式タバコのメリットに敏感な年齢層ほど、加熱式タバコ利用率も高い結果となりました。
全喫煙者中の 加熱式タバコ利用率 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
20代 | 57.19% | 50.32% | 60.99% |
30代 | 51.13% | 46.51% | 55.75% |
40代 | 43.66% | 42.27% | 43.83% |
50代 | 33.81% | 34.20% | 31.28% |
60代以上 | 27.73% | 28.93% | 24.16% |
【調査結果】加熱式タバコブランドのシェアはアイコスが人気トップ
喫煙者の中で、加熱式タバコを使っていると回答した4,481人に対して、どのブランドの加熱式タバコを吸っているか調査を行いました。(複数使っている場合は、最もよく吸っているブランドを1つ選択)
結果、加熱式たばこメーカー各社のシェア率は、1位がアイコスで55.34%、2位がグローハイパーの23.14%、3位はプルームXの15.76%となりました。
- アイコス:55.34%(2480人)
- グローハイパー:23.14%(1037人)
- プルームX:15.76%(706人)
- ウィズ2/プルームテックプラスシリーズ:2.28%(102人)
- グロープロ:2.19%(69人)
- リルハイブリッド:0.49%(22人)
- その他:1.45%(65人)
※()内は得票数。
このうち、アイコス・グローハイパー・プルームXのくわしいシェア率と、昨年同時期に調査した数値からの推移をご紹介します。
アイコスのシェア率は50%以上。昨年より3%UP!
2023年 | 2024年 | 2025年 | 増減比 | |
アイコスシェア率 | 58.68% | 51.71% | 55.34% | +3.63% |
※2023年はアイコスイルマと旧型アイコス3以前機種の合算値
フィリップモリス・ジャパン(PMJ)が発売する加熱式タバコ「アイコス(IQOS)」のシェア率は55.34%と、加熱式タバコのシェアでは過半数を超えるトップの座を維持しています。
2024年には減少トレンドでしたが、今年度のシェアは3.63%上がる結果となりました。
アイコスは、日本で発売されてからちょうど10周年にあたる記念すべき年で、2024年には年間を通して様々な販売促進策が展開されました。
特に2024年3月には、機能性をアップした最新機種「アイコスイルマi」を発売し、またユーザーの細かなニーズを捉えた新作たばこも頻繁にリリースすることで、認知度がアップしたことが一因と思われます。
新機種の発売効果と、日本で初めて加熱式タバコを発売したブランドとしての高い知名度で引き続き半数以上のシェアを確保している結果となっています。
グローハイパーのシェア率は微減。昨年から約3%減
2023年 | 2024年 | 2025年 | 増減比 | |
グローハイパーシェア率 | 17.85% | 25.9% | 23.14% | -2.76% |
※2025年1月までに発売されたグローハイパーシリーズ各機種の合算値
ブリティッシュ・アメリカンタバコジャパン(BAT)が発売しているグローハイパーは23.14%と、昨年度の調査結果と比べると2.76%シェア率が下がる結果となりました。
シェアを大きく伸ばした2023年にはグローハイパーエア、グローハイパープロと立て続けに新機種を発売し話題を作りましたが、2024年は、「グローハイパー」1機種のみにとどまり、また本体の値段が旧型機より500~2,000円程度値上がりしたことが影響したのかもしれません。
また、グローに対応するたばこは、加熱式タバコの中では最も安いですが、2024年には最安値銘柄のラッキーストライクが一箱400円から430円に、ケントも一箱450円から480円と30円の値上げが行われ、他の加熱式タバコとの価格差が縮まったことも一部影響していると考えられます。
プルームXのシェア率は伸長。昨年から約2%増
2023年 | 2024年 | 2025年 | 増減比 | |
プルームXシェア率 | 9.57% | 13.65% | 15.76% | +2.11% |
※2023年はプルームXとプルームS(販売終了品)の合算値
※2024/2025年はプルームXと改良機種プルームXアドバンスドの合算値
日本たばこ産業(JT)が発売するプルームXシリーズは15.76%と、昨年度の調査結果と比べるとシェア率を約2%以上伸ばす結果となりました。
プルームXは、JTが最も注力する加熱式タバコで、2024年には各喫煙所などで紙巻きタバコからの乗り換えをすすめる地道な販促活動が積極的に行われていました。
また、本体の値段も、断続的に1000円値下げする割引キャンペーンが複数回行われたほか、12月からは一部カラーの定価を業界最安値の980円に値下げすることでユーザーの認知度が格段にアップしました。
本体を最安値で提供し、さらに限定カラーモデルも頻繁に発売することで新規ユーザーの注目を集めており、2025年も引き続きシェアを伸長することが予想されます。
加熱式タバコ利用者の満足度は?紙巻きたばこの代わりになる?
今回のアンケートでは、シェア率と合わせて、加熱式タバコが紙巻きたばこの代わりになるのか、満足度の調査をしてみました。
加熱式タバコを吸っている人に、現在吸っている加熱式タバコへの評価について、1つ選んでもらいました。
得票率(得票数) | |
味や使い方など最初から満足で今後も吸い続ける | 55.88%(2,504) |
味や使い方など最初は不満はあったが今は満足で今後も吸い続ける | 22.56%(1,011) |
味や使い方など満足はしていないが大きな不満もないため吸い続けている | 16.67%(747) |
味や使い方に不満があり紙巻きなど他のタバコと併用しながら使っている | 2.45%(110) |
味や使い方に不満があり今後使用をやめることを検討している | 2.43%(109) |
この結果、加熱式タバコを使っている約95%の人が今後も吸い続けると回答し、不満があり紙巻きタバコを併用する、あるいは使用をやめることを考えている人は5%ほどしかいないことがわかりました。
半数以上の方は最初から味や使い方に満足しており、残る方もなんらかの不満がありながら吸い続けると回答しています。
加熱式たばこは、加熱式タバコは煙の代わりに蒸気を発生し、紙巻きタバコと味や香りがやや異なりますが、ハームリダクションの観点から、紙巻きたばこに代わる選択肢として注目されています。
実際に使うユーザーから見てもこれが有効に機能していることがわかります。
屋外では、加熱式タバコの専用喫煙室も年々増えるなど、紙巻きたばこが吸えない喫煙環境の変化もあり、紙巻きたばこの代替手段として、今後も注目されることが想定されます。
まとめ
喫煙者の中での加熱式タバコシェア率は、39.29%と2023年から連続してユーザー数を増やしており、2025年にはたばこ全体の約4割を占める一定の存在感になっていることがわかります。
さらに加熱式タバコ利用者を年代別でみると、20代では約57%、30代全体では約51%と喫煙者全体の半分以上を占めており、若い世代の喫煙者ほど、加熱式タバコ利用割合が多いことがわかりました。
加熱式タバコブランドのトップはアイコスで、55.34%と半数以上の方が利用しており、2024年度よりもシェアを伸ばす結果になりました。
後発ブランドのグローハイパーとプルームXは明暗が分かれ、グローハイパーはシェア微減に対して、プルームXは昨年に引き続きシェアを伸ばしています。
本体、たばこの値段の安さはもちろんですが、本体の機能性やデザインなどの話題性においても活発なブランドほどユーザーの注目を集める要因となっているようです。
過去調査実績
RELAZOでは2024年から加熱式たばこシェア率調査を行なっており、過去調査実績が気になる方はこちらのページもご覧ください。
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調査概要
- 調査方法:アイブリッジ株式会社のセルフ型ネットアンケートツール「Freeasy」
- 母集団:50,000名
- 調査対象:喫煙者であると回答した全国の男女(20~69歳)
- 有効回答数:11,405名
- 実施日:2025年1月7日(火)~1月14日(火)
- 調査者:有限会社オーバーロード
※集計方法 無作為に抽出された50,000名を対象にスクリーニング調査を実施、喫煙者であると回答した11,405名に本調査を実施。
スクリーニングにおいては、令和2年国勢調査基準に基づき、人口構成比率に基づいた性別、年代別の割付を行うことでより精緻な調査を行っています。
調査対象機種
加熱式タバコ喫煙者4,481名の方に、2024年12月時点で発売されていた最もよく使っている加熱式タバコ本体を以下から1つ選んでもらいました。
アイコス
- アイコスイルマi(2024年3月発売)
- アイコスイルマiワン(2024年3月発売)
- アイコスイルマiプライム(2024年3月発売)
- アイコスイルマ
- アイコスイルマワン
- アイコスイルマプライム
グローハイパー
- グローハイパープロ(2024年1月発売)
- グローハイパー(2024年7月発売)
- その他のグローハイパー(エア、X2、プラスなど旧型機種)
プルームX
- プルームXアドバンスド(2023年11月発売)
- プルームX
グロープロ
- グロープロ/グロープロスリム
リルハイブリッド
- リルハイブリッド
ウィズ2/プルームテック
- ウィズ2/プルームテックプラスウィズ