こんにちは、リラゾの自称・加熱式たばこマイスター、パパ中西です!
アイコスイルマは、ニコチン、タールが含まれている加熱式たばこですが、紙巻きタバコでは必ず書いてある「ニコチン、タール量」が銘柄ごとに表示されていません。
しかし、アイコスを販売するフィリップモリス社のサイトでは、銘柄は不明ですが(おそらくテリア・レギュラー)、ニコチン・タール量がこのように公開されています、
ニコチン | 1.07mg |
---|---|
タール | 健康懸念物質別に数値を公開 |
ただ、この数字は、紙巻きタバコのニコチン、タール量とはまた違うことはご存知ですか?
そこでこのページでは、紙巻きタバコの表示量に合わせた時のアイコスイルマのニコチン、タール量についてご紹介したいと思います。
紙巻きタバコと比べて、アイコスイルマのニコチン・タール量が気になる方はぜひご覧ください。
アイコスイルマにニコチン・タール量が表示されていない理由
そもそも、アイコスイルマ専用たばこ「テリア」「センティア」には、ニコチン・タールは入っていますが、紙巻きたばこのようにニコチン量が表示されていません。
なぜかといえば、アイコスイルマを含めた加熱式たばこでは、「たばこ事業法」でニコチン/タール量の表示義務がないからです。
- 紙巻きたばこ:ニコチンタール量の表示義務あり
- 加熱式たばこ:ニコチンタール量の表示義務なし
表示義務はなくとも勝手に書くこともできますが、その代わりニコチン・タールに関する健康注意文言などを今まで以上にはっきり表示することが義務付けられています。
そのため、アイコスイルマも含めて他の加熱式タバコもわざわざ表示していないのが現状のようです。
ただ、問い合わせが多いのか、メーカーであるフィリップ・モリスのサイトでは開発実績として、銘柄名を伏せてニコチン・タール量を公開していますが、実は紙巻きタバコとそもそも測定方法が異なります。
紙巻きたばことアイコスイルマのニコチン量の測定法はこれだけ違う
アイコスイルマのニコチン量の測定方法は、紙巻きタバコと異なる点が2つあります。
紙巻きタバコの測定は、基本燃え尽きるまで、一定の間隔で吸引してその煙から採集できたニコチンを測定しています。
しかし、アイコスイルマはそもそも燃えないので、燃え尽きるまで測る紙巻きタバコとは一緒にはできません。
そのため、アイコスイルマでは「何回吸った場合」と1本あたりの上限の吸引回数を決めてその範囲で採集できたニコチン・タール量を測っています。
さらに日本の紙巻きタバコはISO法という測定方法に対して、アイコスイルマはより日常の喫煙習慣に近い「ISO 20778」で測定しています。
この2つの測定方法では、同じたばこでも採取できるニコチン量が大きく変わり、違いを簡単に比較表でまとめると次のとおりです。
アイコスイルマ | 紙巻きタバコ | |
---|---|---|
測定法 | ISO 20778 | ISO法 |
1本の基準 | 所定の吸引回数 | 所定位置まで燃え尽きるまで無制限 |
1回の吸引量 | 55ml | 35ml |
1回の吸引間隔 | 30秒に1回 | 60秒に1回 |
大きな違いで言えば、アイコスイルマの測定方法は一回の吸引量や間隔が紙巻たばこの測定法に比べて多く吸っているので、その分ニコチン量も高めにでるのが特徴です。
もちろん実際の摂取量は、個人の吸い方によって大きく異なりますが、紙巻たばこの表示量と比べるためには、多く吸っている分を少なくする必要があります。
そのため、今回ではメーカー表示のニコチン量を基準に、
- 吸引回数はISO 20778の定める30秒に1回を基準にメーカーが定める最大喫煙時間で吸える回数の上限
- 吸引量は各社の数値を元にISO法で測定した場合の吸引量に計算しなおす
この方法で、日本の紙巻きタバコの測定方法にできるだけ近づけたアイコスイルマのニコチン・タール量をご紹介します。
アイコスイルマのニコチン量は実際何ミリ?
アイコスイルマの公開されているニコチン量は、1本あたり約1.07mgです。(出典元はこちら)
出典元のページでは、「プラットフォームTHS 3.0」の加熱式たばこエアゾルの成分がアイコスイルマに該当します。
どの銘柄かも不明ですが、測定成分にメンソールが含まれていないため、おそらくスタンダードな「テリア・レギュラー」であると推測されます。
1.07mgというと、紙巻きたばこではそこそこ重いタバコになりますが、実際吸ってみるとそれほどの吸いごたえは感じず、もっと軽いと感じるのが正直な感想でしょう。
そこで、紙巻きタバコ基準のニコチン量にできるだけ近づけてみます。
紙巻きタバコ換算でのニコチン量は、約0.85mg/本と推定
銘柄 | 公開ニコチン量 | 紙巻きタバコ換算 ニコチン量(推定) |
---|---|---|
不明 (おそらくTEREA) | 約1.07mg/本 | 約0.85mg/本 |
日本の紙巻たばことの測定方法の大きな違いは一回の吸引量と、吸引回数です。
一回の吸引量は紙巻たばこの35mlに対して、アイコスイルマは55mlを吸った場合なので、その分の量を少なくする必要があります。
また、吸引回数は、メーカー測定では9回で測定されているので、最大6分間吸えるアイコスイルマだとちょっと少ない回数です。
そこで、30秒に1回吸引したとして、6分間に吸える最大の12回吸った場合としました。
吸引量を少なくして、吸引回数を多くして、紙巻たばこの測定量に近づけて計算しなおすと、アイコスイルマ1本あたりのニコチン量は約0.85mgと推測されます。
紙巻たばこだとちょうど、メビウスと同等クラスのニコチン量ですし、実際アイコスを吸ってみた感想としても、紙巻きでいうライトクラスの吸いごたえに近いですね。
さらにテリアの場合、どの銘柄もだいたい似たような同じ吸いごたえなので、他の銘柄でもニコチン量に大きな差異はないと考えられます。
現在発売中の銘柄一覧はこちらをご覧ください。
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また、同じアイコスイルマ対応の「センティア」のニコチン量は、全体的に吸いごたえが軽いため、具体的な数字は公開されていないものの、吸いごたえからの推測ですが、テリアより少ない数値になっていると思われます。
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他の加熱式たばことアイコスイルマのニコチン量の比較
アイコスイルマのニコチン量は、他の加熱式たばこと比べるとやや高めのニコチン量です。
紙巻きたばこのニコチン測定方法に当てはめて、他の加熱式たばこで公開されているニコチン量が多いもの順に並べるとこのような結果となりました。
デバイス名 | 紙巻きタバコ換算 ニコチン量(推定) |
---|---|
プルームX | 約1.0mg |
アイコスイルマ | 約0.85mg |
アイコス2.4/3(レギュラー) | 約0.79mg |
アイコス2.4/3(メンソール) | 約0.67mg |
プルーム・テック・プラス | 約0.1~0.5mg |
リルハイブリッド | 約0.41mg |
グロープロ | 約0.27mg |
グローハイパー/プラス/X2 | 非公開 |
すべてが基本的なレギュラーやメンソールという訳ではないため、同一基準とは言い難いですが、紙巻きたばこのニコチン量基準で比較してみるとプルームXのニコチン量が最も多い結果となりました。
実際吸ってみても確かに、アイコスイルマよりもプルームXの方がヤニクラ感が強いような気もします!
アイコスイルマとアイコス2.4/3を比べると、アイコス2.4/3の方がキツいような気もしますが、ここは誤差の範囲ともいえるかもしれません。
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アイコスイルマの公表されているタール量は何ミリ?
アイコスイルマでも加熱する時の蒸気にはタールは含まれていて、実際吸ったあとのスティックには、ヤニのようなものが出ている場合もあります。
しかし残念ながら、アイコスイルマのタール量は何ミリと具体的に出せる数字はありません。
なぜかといえば、そもそもタールとは、「煙から発生する粒子状のいろいろな成分の固まり」であって、一つの成分のことではなく、あいまいな意味付けです。
そのため、紙巻きたばこにおけるタール量とは、「煙から採集できた粗タールから水分とニコチンを差し引いたもの」と財務省の通達により決められています。
ただ、アイコスイルマのような加熱式たばこから発生するのは、煙ではなく、水蒸気のため、そもそも紙巻きたばこと同じように比較することが不可能です。
その代わりアイコスでは、タバコにおけるタールに含まれる、人体に害を与えそうな「健康懸念物質」を54種類ピックアップしてそれぞれの量を公開しています。
一覧はこちらよりご覧ください。
- アイコス 健康懸念物質量一覧
成分 量 アンモニア 10 ± 0.253 ホルムアルデヒド 9.03 ± 0.344 アセトアルデヒド 158 ± 4.06 アクロレイン 7.95 ± 0.302 ブチルアルデヒド 14.1 ± 0.45 アセトン 25.4 ± 0.861 クロトンアルデヒド <3.29 プロピオンアルデヒド 8.83 ± 0.374 メチル-エチル-ケトン(MEK ) 5.42 ± 0.232 シアン化水素 2.62 ± 0.185 水銀 1.62 ± 0.128 カドミウム <0.075 クロミウム <2.5 鉛 <0.5 ニッケル <5 ヒ素 <0.75 セレン <0.4 一酸化窒素 (NO) 8.95 ± 0.406 窒素酸化物 (NOx) 9.8 ± 0.493 アセトアミド 2.04 ± 0.146 アクリルアミド 0.773 ± 0.0504 ピリジン 4.77 ± 0.258 キノリン <0.011 スチレン 0.259 ± 0.0214 ニトロベンゼン <0.011 ヒドロキノン 5.5 ± 0.377 レゾルシノール <0.016 カテコール 8.44 ± 0.46 フェノール 0.989 ± 0.0395 m-クレゾール 0.0198 ± n.a. p-クレゾール 0.0454 ± 0.00467 o-クレゾール 0.0476 ± 0.00352 ピレン 5.26 ± 0.372 ベンゾ[a]アントラセン 1.28 ± 0.0999 ベンゾ[a]ピレン 0.6 ± 0.0438 ジベンズ[a,h]アントラセン <0.124 1,3-ブタジエン 0.14 ± 0.0125 イソプレン 1.54 ± 0.118 アクリロニトリル <0.107 ベンゼン 0.348 ± 0.021 トルエン 1.08 ± 0.0355 酸化エチレン 0.165 ± 0.00145 酸化プロピレン 122 ± 7.56 塩化ビニル <0.657 o-トルイジン 0.887 ± 0.0292 1-ナフチルアミン <0.027 2-ナフチルアミン <0.012 3-アミノビフェニル 0.0041 ± n.a. 4-アミノビフェニル 0.0053 ± n.a. N-ニトロソアナバシン(NAB) 2.57 ± 0.248 N-ニトロソアナタビン(NAT) 18.2 ± 1.47 N-ニトロソノルニコチン(NNN) 10.6 ± 0.651 4-(メチル-ニトロサミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK) 8.95 ± 0.544 一酸化炭素(CO) 0.324 ± 0.0385
しかしこれだけだと、健康懸念物質が多いか少ないか判断が難しいですよね。。
比較できるものとして、フィリップモリスのサイトでは、旧型のアイコスと紙巻きたばこの健康懸念物質量を比較しているデータも公開されています。
旧型アイコスとアイコスイルマでは微妙に数値は異なりますが、そこまで大きく変わることはないと思うので、参考として紙巻きたばことの有害物質量の違いをご覧ください。
- アイコスと紙巻きタバコの有害物質量の比較
成分 アイコススティッ ク・レギ ュラー 紙巻きタバコ 1-ナフチルアミン 0.077 20.8 ± 1.3 2-ナフチルアミン 0.046 ± 0.008 11.0 ± 0.6 3-アミノビフェニル <0.032 3.77 ± 0.47 4-アミノビフェニル <0.051 3.26 ± 0.12 ヒ素 <1.13 8.51 ± 0.34 カドミウム <0.350 <0.350 クロミウム <0.55 <0.55 クロトンアルデヒド 4.14 ± 0.23 68.8 ± 14.4 ジベンズ[a,h]アントラセン <0.100 1.70 ± 0.11 エチレンオキシド 0.201 ± 0.014 29.4 ± 2.0 シアン化水素 4.81 ± 0.35 493 ± 78 鉛 <3.35 37.0 ± 0.7 m-クレゾール 0.029 ± 0.004 3.03 ± 0.08 水銀 1.17 ± 0.05 4.80 ± 0.13 ニッケル <0.55 <0.55 ニトロベンゼン <0.188 8.62 ± 1.10 p-クレゾール 0.072 ± 0.008 9.17 ± 0.44 キノリン <0.012 0.513 ± 0.023 レゾルシノール 0.041 ± 0.003 1.85 ± 0.08 セレン <0.550 1.62 ± 0.32 塩化ビニル <3.54 9.67 ± 2.0
旧型アイコスと紙巻きたばこを比べると、ごく一部量が同じ数値の成分もありますが、ほとんどが紙巻きたばこに比べてかなり少なくなっている数値が多く、逆にアイコスのほうが多くなっている有害物質はありません。
タール量そのものについては紙巻きとは比較できませんが、発生する健康懸念物質については、アイコスの方が圧倒的に少ないことがわかりますね!
紙巻タバコとアイコスイルマと比べてどっちが体に悪い?
大前提として、紙巻きタバコもアイコスイルマも、喫煙時にニコチンやタールに含まれる健康懸念物質が発生するため、どちらも体に悪いです。
ただどちらがより体に悪いのか比べると、紙巻きタバコの方が健康懸念物質の発生量が圧倒的に多く、より体に悪いと言えます。
まずニコチンは、選ぶ銘柄にもよりますが、紙巻きタバコもアイコスイルマもそれほど違いはありません。
タールに含まれる個別の健康懸念物質をそれぞれ比べると、メーカー測定値では紙巻たばこよりも大幅に少なくなっています。
また、日本禁煙学会の論文でも、紙巻きたばこの方が、タールに含まれる健康懸念物質量が多いという結果を出しています。
アイコス公開の測定値よりもニコチン量が多いため、測定方法によって数字が変わりますが、この結果でもタールの量は少ないと考えられます。
アイコス対応のニコチンゼロのたばこもたくさんある
アイコス(IQOS)には、公式で発売されている「テリア」「センティア」の他に、非公式品ながらニコチンが含まれていない(ノンニコチン)のスティックが多数発売されています。
これらはどれも、たばこ葉の代わりに茶葉を使うことにより、ニコチンの含有量をゼロにして健康に配慮したスティックになっています。
アイコスイルマ対応の「The third IZUMI」をはじめ、IQOSイルマ3/2.4対応のニコチンゼロ対応スティックも多数発売され、コンビニでも買うことができるので、より健康に気を使いたい方は検討してみてはいかがでしょうか?
くわしい種類や吸いごたえはこちらのページで紹介しています!
こんにちは、リラゾの自称・加熱式たばこマイスター、パパ中西です!加熱式たばこアイコス(IQOS)には、非公式ながらニコチンが含まれていない、茶葉を使った互換性のあるニコチンゼロのスティックが多数発売されています。特にアイコス[…]
【追記】今後はアイコスにもニコチン・タール含有量の表示義務づけされるかも
最初にご紹介した通り、アイコスなどの加熱式たばこにはニコチン・タール量の表示義務はありませんが、2023年6月6日、「表示の義務づけについて、今後検討する」とする答弁書が閣議決定されました。(ソースはこちら)
今後管轄する財務省で表示ルールが定められ、将来的にはスティックの外箱に表示されることになりそうです。
まとめ
アイコスイルマのニコチン/タール量についてご紹介しました。
最後にまとめてみると、
- アイコスイルマのテリア、センティア個別の銘柄ごとにニコチン・タール量は公開されていない
- 唯一「テリア・レギュラー」と推測される銘柄のニコチン量1.07mgが公開されている
- 紙巻たばこのニコチン量に計算しなおすと1本あたり0.85mgでライトクラスのニコチン量がある
- タール量はそもそも計算できず、代わりに健康懸念物質量が公開されているが、その量は紙巻きに比べると圧倒的に少ない
フィリップモリス社で公開されてるアイコスイルマのニコチン/タール量は、馴染みのある紙巻きタバコのパッケージに記載されている基準ではないため、紙巻き基準でご紹介しました!
アイコスイルマの公開ニコチン量は1本あたり約1.07mgですが、紙巻きの測定方法に割戻すと約0.85mgとなりました。
また、タール量については、有害物質1つ1つの詳細な成分量が記載されており、タール量を比較することは難しかったですが、紙巻きタバコよりは発生量が少ないことがわかりました。
紙巻きタバコと比べると、アイコスイルマの方が、ニコチン/タール量は少ないことがわかりましたが、加熱式タバコだからゼロになるわけではありません。
健康に害を与えそうな成分は間違いなく含まれているため、喫煙時は周りにも気をつけて、吸いすぎにも注意が必要ですね。